包括的ダウンロード刑事罰化(6):パブコメ作成のポイント
すべてのネットユーザーに影響が出る法改正が検討されている。いまパブコメに意見を出さないひとには、後から何かを言う資格はないとすら思う。いまならまだ間に合うかもしれないが、法案になってからでは遅い。
これがどういう案なのか、おさらいをしておく。
- ネットにある文章、イラスト、写真などのうち著作権を侵害しているものについて、それを「確定的に」知りながら私的使用のためにダウンロードする行為(右クリック保存やスクショを含む)を新たに違法にする。
- オリジナルが有償著作物ならば、懲役2年以下、罰金200万円以下の刑事罰をつける。
- ストリーミング視聴や、画面をプリントするのは対象外。
(2018.12.27追記:書く前に最低限これは読んでおくこと。)
パブコメ作成のポイント
- 違法にアップロードされたものと「確定的に知って」いても、それをダウンロードしなければできないことを書く。
- 自分が困ることや、怖くなることを具体的に書く。
- テンプレのひとつの行に「Aが困る。Bも困る。」とまとめるのではなく、AとBは別の行にして書く。(2018.12.29追記:この方法は推奨されていないが、たくさん意見があるのならば行を分けて書けばよいと思う。)
- 無料だからいい、というのは不可。
- (2018.12.29追記:個人名は公表されないので、書いても大丈夫。もしどうしても気になるのならば電話番号、連絡先メールアドレスは空欄のままでもよいだろう。)
パブコメの情報と送付用テンプレートはこちら。提出期限は1月6日(月)。
以下は、反対する場合のテンプレートへの記入例です。参考にしてもらってかまいませんが、おなじ意見ばかりだと、ちゃんと読んでもらえません。ご自分の言葉で書いたほうがずっと効果的です。(2018.12.29追記:テンプレートの送り先はこの文書のなかに書かれてあります。なお、Excelのテンプレートだけでなく、WEBフォームによる提出も用意されています。)
①意見提出対象の区分: B:ダウンロード違法化の対象範囲の見直し
②賛成/反対: 反対
③御意見(2000字以内):
- 同人作家の例
- わたしはマンガの同人活動をしています。他の同人作家の優れた二次創作がネットにあれば、作画技術を学ぶために、著作権を侵害していると確定的に知りつつダウンロードすることがあります。しかし、それで原作の売り上げが減るとは思いません。ダウンロードが違法になり刑事罰も付くならば、怖くて同人活動が続けられません。
- ○○(政治・地域・社会問題など)に関心のあるひとの例
- わたしは○○に関心があり、さまざまな情報をネットからダウンロードして集めています。ネットには新聞や雑誌記事や写真の無断転載など、権利を侵害していると確定的にわかるけれども、参考になる情報がたくさんあります。ダウンロードが違法になり刑事罰も付くならば、情報を集め考えを深めることが難しくなります。