本ブログでもたびたび取り上げてきた「違法ダウンロード拡大」の著作権法改正案が、本日の参議院本会議で可決・成立した。昨年時点の法案からくらべたら、だいぶ危険の少ないものにしてくれたと思う。だが、そもそも漫画以外のコンテンツに同様の規制を課すだけの立法事実があったのか、海賊版漫画の被害額は過大ではなかったか、学術利用を萎縮させる恐れがあるなどの問題は、残されたままになっている。

何よりも、著作権法がさらに複雑になった。

今から思えば、1年ちょっと前に自民党内でほとんど決まりかけていた法改正を、世論によってストップさせたことが、歴史的なことだったかもしれない。それは、おなじ問題意識をもった者が緩やかに連携しながら、同時に多発的に動いたことの結果だったと思う。

最近、新型コロナ対策の給付金や検事官の定年延長が、閣議決定までしておきながら世論によって覆ったが、そのさきがけ的なことが昨年起きていたのかもしれない。

法改正の中身については、そのうちわたしよりも詳しい誰かが書いてくれるだろうから、そちらに譲りたい。

本ブログの過去エントリーのなかから、後世の資料的価値がありそうなリンクだけ再掲しておく。

違法ダウンロード拡大:団体等からの声明・意見一覧

違法ダウンロード拡大:タイムライン・文化庁はどこで注文を間違えたのか?

違法ダウンロード拡大:タイムライン・まき直し編